文化財防災ネットワーク

CH-DRM Network,Japan

National Task Force for the Japanese Cultural Heritage Disaster Risk Mitigation Network

2020年3月11日

東日本大震災の発生から9年の歳月が過ぎました。
 JR常磐線の全線開通など、将来に向けての明るい話題があるいっぽうで、被災地の復興、避難された方々の帰還と生活の再建はまだまだ道半ばという情報も伝えられています。
 私たちは文化財の専門家として、東日本大震災で被災した各地域の文化財や、福島第一原子力発電所の爆発事故により設定された避難区域の中に取り残された文化財の救出活動について、被災地の文化財担当者・博物館や美術館の学芸員、個人所有者など多くの皆さんのお手伝いをいたしました。
 あれから9年。救出した文化財の多くは、管理施設に保管され、破損がそれ以上進まない「安定化」のための処置が施されてきました。しかし、いまだに膨大な量の被災文化財が処置を待っています。そして、津波の被害に遭い、カビが発生した絵画作品などには、修復の手を尽くしても必ずしも被災前の状態へは戻りきらないものが少なくありません。
 これらについては、これからも根気強い安定化と修復の作業が続けられていきます。
 他方、その後も連続して発生している地震や台風、集中豪雨、そして火事などの災害によって、引き続き多くの文化財が被災する様子を見るたびに、私たちは「災害があっても文化財に被害が出ない」ようにするにはどうしたら良いのか?ということを考えないことはありません。
 文化財防災ネットワーク推進事業は、文化財に関係する国内のさまざまな団体、都道府県・区市町村の文化財所管部局の担当者の皆さんや文化庁との緊密な連携体制を構築・発展させていくことによって、「災害があっても文化財に被害が出ない」ことを究極の目的として、災害時の迅速かつ効果的な救援・支援活動の実現のため、これからも努力を続けてまいります。

独立行政法人国立文化財機構 文化財防災ネットワーク推進室