文化財防災ネットワーク

CH-DRM Network,Japan

National Task Force for the Japanese Cultural Heritage Disaster Risk Mitigation Network

文化遺産防災ネットワーク推進会議活動ガイドラインについて

「文化遺産防災ネットワーク推進会議の災害時における活動ガイドライン」について

現在、文化財防災ネットワーク推進事業は、文化遺産防災ネットワーク推進会議の「活動ガイドライン」の策定作業を行っています。

1.文化遺産防災のためのネットワークと災害発生時の動き
文化遺産に係る防災及び災害時の連携体制(ネットワーク)は、
1) 都道府県内連携体制
2) 都道府県間連携体制(広域連携)
3) 当ネットワーク推進会議のような文化遺産に係る専門的な全国組織等が集まったネットワーク
の3つに大別することができます。
災害が発生し、地域の文化遺産に被害が発生した場合、都道府県庁の文化財所管部局をはじめとして、地域内の様ざまな団体や専門家が活動を開始し、また地域外からも救援・支援の活動が行われます。国指定や都道府県・市区町村指定の文化遺産に関しては、行政のラインによって速やかに被災状況に関する情報収集がなされますが、災害のダメージが非常に深刻で、地域全体の被害状況の把握にも手間取るという場合には、文化遺産被害の情報収集がさらに遅れる、ということも起こります。未指定文化財については、行政的なケアがさらに遅れます。この間に、文化遺産はカビの発生や破壊の進行、盗難・売却・散逸の危機にさらされます。このため、地域内・地域間の連携体制だけでは対応できない場合は、外部(文化庁、文化遺産防災ネットワーク推進会議参画団体をはじめとする様ざまな機関・団体・専門家等)に支援を求める必要が出てきます。

2.「文化遺産防災ネットワーク推進会議の災害時における活動ガイドライン」
もちろん、推進会議に参画する各団体は、それぞれの専門的なルートによって情報を収集し、支援のための活動を開始します。この「文化遺産防災ネットワーク推進会議の災害時における活動ガイドライン」は、災害時に文化遺産防災ネットワーク推進会議参画団体がそれぞれに行う情報収集活動で得た情報を速やかに共有し、より効果的な救援・支援活動を実現するための基本方針を記すものです。
この活動においては、文化庁との密接な連携が基盤となります。併せて当該被災地の文化財所管部局とも緊密な連絡を取らせていただきたいと考えております。

3.文化財保存活用大綱・文化財保存活用地域計画の策定にあたって
折しも、本年4月1日に改正文化財保護法が施行され、都道府県においては文化財保存活用大綱を策定、市町村においては文化財保存活用地域計画を作成し文化庁長官の認定を申請することができる、ということになり、3月にはそのための指針が示されております。特に保存活用大綱については、その指針において「地域の文化財防災体制の構築」が推奨されています。すでに各都道府県においては、今年度中または来年度中の完成を目指して大綱策定の取り組みが開始されており、それぞれの事情を反映した地域の文化財防災体制の在り方を検討されているところです。
都道府県における地域の文化財防災体制の構築にあたっては、一つの地域の中だけで解決策を考えるのではなく、近隣地方公共団体との相互支援の体制とともに、是非とも文化遺産防災ネットワーク推進会議の「活動ガイドライン」を整備して体制の強化を進めつつある私たちの「文化財防災ネットワーク」との連携についても念頭においていただきたいと考え、すでに都道府県の文化財所管部局の担当者へは、機会を捉えてその概要をお伝えしているところです。
「文化財防災ネットワーク」が名実ともに地域の文化財防災体制の構築においてその役割を果たすことのできるものとなるよう、私たちも努力を続けてまいります。

なお、「文化遺産防災ネットワーク推進会議の災害時における活動ガイドライン」の完成は、当初予定していた本年11月から年明けの1月になる予定です。