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レスキューおよび収蔵・展示における技術開発| 東京国立博物館
【東博】被災した美術工芸品に対するレスキューおよび保管に関する調査
平成30年7月豪雨(西日本豪雨)により甚大な被害を受けた岡山県および愛媛県において、美術工芸品の被災対応に関する技術的課題を探るため、令和2年10月13日(火)~10月15日(木)に聞き取り調査を実施した。調査のために訪問した団体・機関は以下の通りである。
・岡山県教育庁文化財課
・日本美術刀剣保存協会岡山県支部
・西条市立小松温芳図書館・郷土資料室
・倉敷市総務課歴史資料整備室
・岡山県古代吉備文化財センター
このうち、岡山県では日本刀のレスキューについて、日本美術刀剣保存協会岡山県支部が実施した、応急処置と中長期的な修理(研磨)の事例をうかがった。愛媛県では甲冑のレスキューについて、西条市立小松温芳図書館・郷土資料室の専門職員が実施した応急処置と中長期的な修理(洗浄・補強)の事例をうかがった。
美術工芸品のレスキューに関する主な課題として挙げられるのは、救援活動を実施するための連携体制の構築、さらに応急処置技術の確立とマニュアル化である。美術工芸品に関する各分野の専門家らと連携を図りつつ、行政とミュージアムが中心となり、前述の課題に取り組んでいくことが求められる。
期間:令和2年10月13日~10月15日