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更新日:2021年3月31日 00:00

【センター本部】川崎市市民ミュージアム被災収蔵品レスキュー活動に係る支援

令和元年1012日の台風19号による川崎市中原区での内水氾濫で、川崎市市民ミュージアムの地下収蔵庫は水没した。文化財防災ネットワーク推進室が連絡を受けた1014日から、国立文化財機構は、文化庁及び関連団体と連携を図りながら、多くの専門家が助言を行うとともに、水損した約23万点の作品資料に関して搬出および応急処置作業にあたった。また担当者1名を現地に派遣してほぼ常駐という支援体制をとった。

 令和2年4月以降、コロナ禍と猛暑により支援団体がスタッフの派遣を大幅に縮小せざるをえない状況のなかで、市民ミュージアム及び川崎市は文化財保存支援機構、市民ミュージアムの協力企業のスタッフとともに作業を継続した。この間、支援団体は近郊からの職員派遣、技術指導ワークショップの開催により支援を続けた。国立文化財機構も、担当者を中心としてオンライン会議や実際の打ち合わせによる助言などを継続したが、作業環境の整備と改善は昨年度に引き続き解決すべき重要な課題であった。いずれにせよこのような各団体の取組により、619日に収蔵庫から被災収蔵品を搬出する作業は完了し、その後は、燻蒸とカビ払いを終えた作品や資料が次々と外部倉庫や専門機関等に移送されていった。7月以降の主たる作業は、市民ミュージアム内での冷凍保管した古文書等の紙資料の解体・乾燥などの応急処置と、専門業者における絵画、写真、映画フィルム等の修復、そして外部倉庫との連絡・移送等に移行している。

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令和元年東日本台風から1年 川崎市市民ミュージアム被災収蔵品レスキュー活動の記録―」へ