• レスキューおよび収蔵・展示における技術開発| 文化財防災センター| 東京文化財研究所
更新日:2022年3月30日 17:48

水損紙資料の応急処置に関する情報収集

水損紙資料応急処置に関する技術開発のための調査研究を行いました。

令和3年度は①過去の被災紙資料処置に関する情報収集、②実験環境の整備、試料作成を実施しました。

①被災紙資料処置事例として、東日本大震災における津波被災紙資料、または令和元年台風19号被災紙資料の処置を行なった岩手県、宮城県、福島県の実務担当者間での意見交換会を開催し、レスキュー初動を含めた応急処置における問題、現状、今後の課題を共有しました。また、平成279月関東・東北豪雨における洪水被災紙資 料処置を実施した日本ファイリング株式会社に真空加温乾燥法についてヒアリングを行ない、技術調査を行いました。

②実験環境として、東京文化財研究所に、真空凍結乾燥機、プレハブ冷凍庫、恒温恒湿槽などを導入し、 特に水損資料の保管、乾燥のための実験環境を整備しました。水損紙資料の模擬試料として冊子を作成し、水浸・乾燥の繰り返しによる状態変化について検証しました。

東日本大震災より10年を経て、今後は過去に実施した保存処置方法の検証と併せ、応急処置に関する技術開発を進めます。

9_応急処置3.JPGのサムネイル画像7_応急処置1.JPGのサムネイル画像8_応急処置2.JPGのサムネイル画像