• 文化財防災に関係する情報の収集と活用| 東京文化財研究所
更新日:2021年3月31日 00:00

【東文研】無形文化遺産の防災のための動態記録作成に関する調査研究

・防災・減災のための動態記録モデルの検討

 「鵜飼船製作技術」を対象に映像記録(撮影済み)の映像編集を防災・減災に資するモデル作成とするための検討を行った。検討は、約120時間におよぶ映像記録を利用し、被災前の無形の文化財の記録として、減災および技術の伝承に資する項目を洗いだし、記録した全工程について分析を行い、映像編集を行った。成果の映像は一部を東京文化財研究所のHP、同資料閲覧室等にて公開を予定している。

・報告書「民俗文化財保護のための動態記録作成に関する調査研究事業―民俗技術の記録作成事業報告書3」刊行

 前述の映像記録モデル検討と合わせ報告書の形式で文章・図や写真等で、映像だけでは捉えきれない要素について検討を行った。映像は具体的なワザの動作や時間的な流れを捉える利点はあるが、ワザの感覚といった概念的な事柄、文化遺産の文化的・観念的背景、といった抽象的な対象の記録を行うのには不十分な面がある。文章・図や写真等、それぞれの記録方法の利点を活かすため、映像と合わせて記録作成を無形の文化遺産を記録する際には複合的な方法を用いて記録することが肝要と言えるためである。